北海道経済連合会について

設立趣意書

 わが国経済は、この10余年間にめざましい高度成長を遂げたが、一方では、資源・エネルギー問題、環境保全問題、さらには、物価問題など複雑多岐な問題が、数多く提起されている。
  したがって、今後は、安定成長の方向へ転換を図りつつ、物心両面にわたる豊かな社会の建設を目指して、国土の均衡ある発展を図ることが重要な課題となっている。
  ひるがえって、北海道は、戦後一貫して国および地方自治体による総合開発が強力に推進されてきたところであるが、北海道のもつ大きな潜在的発展力を未だ十分に活かすまでにはいたらず、幾多の面において立ち遅れのあることは否めない事実である。
  しかしながら、経済社会の国際化が進展し、わが国経済の取り巻く環境が一段と厳しさを増しているなかで、北海道の果たす役割は一層高まっているといわなければならない。すなわち、広大な土地、豊富な水、その他の資源に恵まれている北海道は、全国的にみても環境保全重視の観点に立って、産業経済の秩序のある発展を図り得る殆んど唯一の地域といっても過言ではなく、その点からも北海道が今後果たすべき役割はきわめて大きいものがある。
  このような見地から、新しい時代の要請に応え、北海道のもつ可能性をさらに発揮するためには、国および地方自治体の開発行政に依存するだけではなく、これに呼応し、民間経済界が従前にも増して企業の社会的責任をふまえ、自主性をもって積極的に行動することが必要である。
  ちなみに、北海道においては、従来各種の経済団体がそれぞれの立場から、地域経済の発展のために努力を傾注してきてはいるが、激動する社会・経済情勢に即応するためにも、この際、新たな見地から、北海道経済界の総意と総力を結集して、地域経済・社会の発展を図るうえでの重要な課題について調査研究・討議し、その解決に向って努力するなど、力強い実践活動を行うことが必要であり、これこそ、われわれ北海道経済人に課せられた重大な使命であると確信するものである。
  したがって、この度、北海道の産業経済に関係する法人、団体、個人の参加を求め、その強固な結集力によって、地域経済・社会の発展を推進するとともに、あわせて会員相互の理解と協力を深め、研さんを図ることを目的として、本連合会の設立を発起した次第である。
  また、本会は、地域経済団体として、道内の関係団体とはもとより、全国各地域の経済団体とも緊密な連携を保ちつつ、相携えて、わが国経済の発展に寄与したいと考えるものである。
  ここに、北海道および北海道とかかわりの深い全国各地域の産業経済人の絶大なご協力とご支援を得て、本会が有力な経済団体として発展することを念願してやまない。

昭和49年12月

北海道経済連合会
設立発起人代表